Session 03 — 2026-07-16 | コンテキスト

毎回説明しなくても、「いつものやり方」で動いてくれる状態を作る

前回は Claude に作業を任せる体験をしました。今日はその Claude に前提とやり方を覚えさせて、頼むたびに同じ説明を繰り返さなくて済む「自分専用の相棒」に育てます。合言葉は「1回教えれば、2回目からは一言」です。

今日のゴールは2段階です。
はじめての方 — 共有された brainstorming スキルを使い、自分のスキルを1つ自分で作って効くことを確かめること。
経験者 — 「何を常に読ませ、何を必要なときだけ読ませるか」というコンテキスト設計の考え方を理解すること。

今日のタイムスケジュール

時刻
内容
主役
18:00–18:14
はじめに(前回の質問への回答・みんなのコツ・プロンプトのコツ#2)
INTRODUCTION
講師
18:14–18:24
宿題の発表(テーブル内で1人2分)
INTRODUCTION
みなさん
18:24–18:30
前回の復習: CLAUDE.md(説明資料は §0.4)
INTRODUCTION
深瀬
18:30–18:40
スキルを体験する — brainstorming スキルを全員で使う
HANDS-ON
みなさん
18:40–18:48
講師デモ: スキル — 会話で作る・自動で効く(Cowork)
DEMO
講師
18:48–19:18
ハンズオン:スキルを自分で作って使う
HANDS-ON
みなさん
19:18–19:24
種明かし:コンテキストの「選択」
FEEDBACK
講師
19:24–19:30
持ち帰り演習の案内・まとめ・アンケート
CLOSING
講師
INTRO0

はじめに・宿題の発表

26分

§0.1前回の質問にお答えします

第2回のふりかえりアンケート(回答66名)に寄せられた質問のうち、複数の方に共通していたものにお答えします。当日は主なものだけ触れます——残りはこの資料で読めます。

Q.機密・社外秘のデータは、どこまで読み込ませてよいですか?(5名から同趣旨の質問)

社内ルールの正式な情報源は情報資産取扱マニュアル(Ver4.02)です(社内ポータルの ISMS 文書。AI 利用時のデータ取り扱い規約を含みます。閲覧には社内アカウントでのサインインが必要です)。実務上の線引きは第2回の種明かし②と同じです。

  • 顧客から預かったデータ・個人情報(氏名・メールアドレス・顧客名など)は入れない
  • 試したいときはダミー化・マスクしてから渡す(第2回の「ダミー化3手順」)
  • 判断に迷うデータは入れずに、上長または運営に確認する
詳細: 第2回資料 §5「安全に任せるための仕組み」
Q.実行時の「許可しますか?」は、業務で本当にOKしてよいのですか?判断基準は?
  • 承認を求められたら、何をしようとしているかの1行を読むのが基本です
  • 読み取り(ファイルを読む・一覧する)は基本OK。作成・上書き・削除・外部への送信は、対象と範囲を確認してから許可します
  • 迷ったら拒否してかまいません。拒否しても会話は続き、Claude は別の進め方を提案してきます
詳細: 第2回資料 §5.1「安全のための仕組み」
Q.Claude Code と Cowork は、どう使い分ければよいですか?(3名から同趣旨の質問)

まず前提として、両者は同じモデル・同じエージェントの仕組みです。いちばんの違いはコマンドやコードを「どこで実行するか」です。

  • Claude Code: cdgrep などのコマンドを自分のPC(ローカル環境)で直接実行します。ターミナル・Git操作(コミット・ブランチ・プルリクエスト)・差分レビューを備えます
  • Cowork: コマンドやコードの実行はPC から隔離された仮想環境(Anthropic サーバー上)で行われ、PC の環境を直接変更しません。ローカルに触れるのは接続したフォルダだけ・アプリを開いている間だけです。Excel・PowerPoint・Word・PDF を生成する公式スキルを使った文書成果物づくりが得意です

使い分けの基準: Claude Code が実行しようとしているコマンド(cdgrep など)を読んで内容が判断できるなら Claude Code、コマンドの中身に不安があるなら Cowork——くらいの基準で選べば十分です。なお MCP・スキル・プラグインなどの拡張は両方で使えます。

Q.Cowork で Excel 以外——Python コードなども作れますか?
  • 作れます。Cowork も内部ではコードを書いて実行しています(Excel 生成もその仕組みで動いています)。Python スクリプトなどのファイル出力も依頼できます
  • 作ったコードを継続的に育てていくなら Claude Code のほうが向いています(上の使い分けを参照)
Q.PDF のデータと Excel のデータの照合はできますか?
  • できます。複数ファイルをまとめて読み、突き合わせて差分や不一致を報告させられます。第2回の作品紹介「請求書→台帳転記」と同じ型です
Q.CLAUDE.md の書き方——何を書けばよいですか?(2名から同趣旨の質問)
  • 今日の冒頭、復習コーナー(§0.4)で扱います。種明かし(§4.1)では「何を CLAUDE.md に書き、何をスキルに切り出すか」の仕分け基準を扱います
Q.「思ったより時間がかかる」「英語で返ってきた」「出力先がズレた」——どう防げますか?

前回のアンケートで多かったつまずきです。すべて今日の内容で回収します

  • 毎回の指示に時間がかかる(6名) → 手順をスキルにして、2回目からは一言で呼ぶ(§1 で全員体験します)
  • 英語で返ってくる → 前提ファイルの1行目に「日本語で答える」と書く(§0.4・§4.1)
  • 出力先が指定と違う場所になる → 前提ファイルに出力先のルールを書く(同上)
  • 議事録を頼んだら「議事録を実施した報告書」が出た → 目的と背景まで書く(プロンプトのコツ#2)

§0.2みんなのコツ — 前回アンケートから

第2回アンケートの「コツ・発見」欄(記入9名)から、2つ紹介します(匿名・要約)。

コツ① 「回答を5つ出して、ランキングして表示して」と頼む

ランキングさせると、AI が自分の出した回答を自分でレビューしてから順位を付けるため、1案だけ頼むより質が上がる——という発見です。プロンプトのコツ#1「数で頼む」(第2回)の実践版です。

コツ② 「初心者です・練習中です」と先に宣言する

宣言しておくと、方針の確認を挟みながら丁寧に進めてくれる——という報告です。この「自分の状況を先に伝える」は、今日の前提ファイルに書けば毎回宣言しなくても効き続けます

§0.3宿題の発表 — テーブル内で1人2分

前回の持ち帰り演習——「自分の題材で任せてみる」「前提ファイルを書いて効き目を確かめる」——の結果を、テーブル(グループ)内で順番に発表します。1人2分・テーブル全体で10分が目安です。

発表のしかた(この3つを話せばOK)
  • 何を任せたか — 実際の画面や成果物を見せながら(スライド不要)
  • 前提ファイルは効いたか — CLAUDE.md/プロジェクトの指示で挙動は変わったか
  • 一言 — 発見したコツ、次にやってみたいこと

進行はテーブル内で時計回り。2分経過の合図は運営がスクリーンに出します。うまくいかなかった話も発表対象です——今日の内容はまさに「効かなかった理由」の種明かしです。

宿題をやっていない・終わらなかった方は、「やろうとして詰まったところ」を話してください。それも立派な発表です。

§0.4前回の復習 — CLAUDE.md(担当: 深瀬)

前回登場した前提ファイル CLAUDE.md を、運営の深瀬が復習します(約6分)。今日のハンズオンはスキルづくりに集中するため CLAUDE.md 自体は書きませんが、種明かし(§4.1)の「何を前提ファイルに書き、何をスキルに切り出すか」の前提になります。Cowork コースの「プロジェクトの指示」も、名前が違うだけで考え方は同じです。

説明資料

CLAUDE.md 説明資料(社内 SharePoint・PowerPoint) — 閲覧には社内アカウントでのサインインが必要です。

§0.5今日の位置づけ — 3色バッジの見方(前回と同じ)

今日も Claude Code(開発コース)と Cowork(業務コース)に分かれますが、今日のテーマ「スキル」の考え方は両コース完全に共通です。最初のスキル体験(§1)は全員が同じスキルを使い、講師デモ(§2)は Cowork の画面1本ですが、内容はどちらのコースにも当てはまります。コース別に進むのは後半のハンズオン(§3)だけです。バッジのない部分と 共通 は全員が対象です。

TIPS#2

プロンプトのコツ #2 — 目的と背景を書く 共通

4分

コーナー第2弾です。前回の「種本の紹介」(第2回 §T.4)で名前だけ挙げた「指示の理由・背景を添える」を、今回はまるごと1テーマとして掘り下げます。このあとのデモとハンズオン(スキルの手順書づくり)に直結するコツです。

何をしてほしいかだけでなく、なぜ・何のためにそうしてほしいのかを一言添える。

§T.1なぜ効くのか

AIは、指示だけをぽんと渡されると「言われたことを言われたとおりに」こなそうとします。ところが、その指示の「目的」まで伝えておくと、こちらの意図をくみ取って、書ききれなかった細かい判断や、想定外の場面まで、こちらの狙いに沿って動いてくれるようになります。開発元の Anthropic も公式ベストプラクティスで「指示の背景や動機を添えると、Claude が目的をよりよく理解し、的を射た応答を返しやすくなる」と明言し、「Claude は説明があれば、そこから自分で応用を効かせられるくらい賢い」とまで書いています。目的は「一を聞いて十を知る」ためのヒントなのです。

§T.2ビフォー/アフター

ビフォー — 命令だけ(言われた分しかやらない)
議事録の要約に「…」(三点リーダー)は使わないで。
アフター — 目的・使う場面・制約の背景を添える
この議事録の要約は、あとで読み上げソフトに通して音声で共有します。 「…」(三点リーダー)は読み上げソフトが正しく発音できないので、使わないでください。

ビフォーは「三点リーダーはダメ」という一点しか伝わりません。アフターは「音声で共有する」という目的が入っているので、三点リーダーだけでなく、顔文字や記号の羅列など「声に出しづらいもの全般」も避けてくれるようになります。ルールを一つずつ列挙しなくても、狙いから先回りしてくれるのがポイントです(この実例は Anthropic 公式ドキュメントの例をもとにしています)。

§T.3今日のスキルづくりにそのまま効きます

このコツは、その場で打つプロンプトだけの話ではありません。このあと作るスキルや CLAUDE.md の「手順書」にこそ効きます。手順だけをずらりと並べた手順書は、想定外の入力が来たとたんに崩れます。冒頭に「このスキルは何を、どんなときに使うためのものか」という目的を一段落書いておくと、AIがその目的に照らして「たぶんこう扱ってほしいはずだ」と補って動いてくれます。実際、Anthropic のスキル公式ガイドも、スキルの説明文には「何をするか」に加えて「いつ使うべきか」まで書くことを求めています。ハンズオンと持ち帰り演習でスキルを作るときは、まず目的の一段落から書き始めてください。

§T.4あわせて使いたいコツ3つ

  • A「使わないで」より「こうして」 — 禁止だけを伝えると迷いが残ります。「箇条書きにしないで」→「文章のつながる文で書いて」
  • B新入社員に頼むつもりで — 公式いわく「Claude は優秀だが、社内の事情を知らない新人」。部署の常識・略語は通じない前提で、前提から書きます
  • C同僚テスト(公式の黄金律) — 「その指示を、事情を知らない同僚に渡して作業してもらえるか。相手が迷うなら Claude も迷う」。送る前に他人の目で読み直すのが確実です
出典: Prompting best practices(Anthropic 公式)「Add context to improve performance」節("Providing context or motivation behind your instructions ... can help Claude better understand your goals and deliver more targeted responses" / "Claude is smart enough to generalize from the explanation."。ビフォー/アフターの読み上げソフト例・黄金律も同ページ) / Agent Skills(Anthropic 公式)("The description should include both what the Skill does and when Claude should use it.")。
HANDS-ON1

スキルを体験する — brainstorming 共通

10分

スキル(Skills)とは、Claude に渡す「作業手順書」のファイルです。開発元の Anthropic は「新しく入ったメンバーに、仕事のやり方をまとめた資料を渡すようなもの」と説明しています。一度書いておけば、Claude はその作業のたびに手順書を開き、毎回同じやり方で仕事をします。

§1.1たとえ話 — あなたが上司、Claude が新人

Anthropic は公式ベストプラクティスで、Claude を「優秀だが、社内の事情を何も知らない新人」にたとえています(プロンプトのコツ#2にも登場した比喩です)。あなたはこの新人の上司です。このたとえで、今日の登場人物を先に整理します。

Claude でいうと 職場でいうと
コンテキスト — AI の作業記憶。容量が有限で、詰め込むほど本題に使える余白が減る(第2回の種明かしで登場) 新人が一度に頭に入れておける話の量。長話になるほど、最初の方から忘れていく
CLAUDE.md/プロジェクトの指示(前提ファイル) — セッション開始時に毎回自動で読み込まれる。§0.4 で復習したもの 初日に行うプロジェクト説明。目的・前提・決まりごとを最初に伝えてから仕事を頼む。Claude はセッションのたびに「初日」に戻るので、この説明を毎回代わりにやってくれるのが前提ファイル
Skills(スキル) — その作業を頼まれたときだけ本文が読み込まれる手順書。今日の主役 棚に並べた業務別の手順書。特定の業務を行うときだけ開く。普段は「棚のどこにあるか」だけ知っていればよい
毎回口頭で全部説明する上司(=毎回長いプロンプト)は、上司も新人も疲れます。いつも踏まえてほしい前提はプロジェクト説明に、ときどきの作業の詳しいやり方は棚の手順書に——今日はこの「新人の教育係」になる回です。仕分けの種明かしは §4.1 で行います。

ここからは実物で進めます。前回のプロンプトのコツ#1「アイデア出しは30個と数で頼む」を運営がスキル化した brainstorming スキルを全員で使います。まず中身を見て(§1.2)、次に自分で使います(§1.3)。前回は5行のプロンプトを書いて出した結果が、今日は一言で出ることを確かめてください。

§1.2スキルの中身 — 正体はテキストファイル1枚

フォルダに入った1枚のテキストファイル(SKILL.md)が本体です。書いてあるのは3つ——名前、説明(何を・いつ使うか)、手順。手順の中身は前回のコツ#1(量+切り口+「出す」と「選ぶ」を分ける)そのもので、冒頭に「目的」の段落があるのはさっきのプロンプトのコツ#2の実践です。

brainstorming/SKILL.md(全文)
--- name: brainstorming description: アイデア出し・ブレストを頼まれたときに使う。テーマに対して方向性の異なるアイデアを30個、3つの切り口で一覧にして出す。評価・絞り込みは頼まれるまで行わない。 --- # brainstorming — アイデア出しの手順書 ## 目的 AI にアイデア出しを普通に頼むと、誰もが思いつく定番案に収束しやすい。 数と切り口をあらかじめ指定して、発想の幅を広げるための手順書。 「出す」と「選ぶ」を分けるのは、絞り込みを急ぐと変わり種が先に消えてしまうため。 ## 手順 1. 渡されたテーマを確認する。対象や制約が読み取れない場合は質問で止まらず、一般的な前提を置いて進める。置いた前提は回答の冒頭に1行で示す。 2. アイデアを合計30個、通し番号付きの一覧で出す。お互いにできるだけ方向性が違うものにする。 3. 内訳は次の3つの切り口で10個ずつとし、切り口ごとに見出しを付ける。 - 堅実な定番案 - 既存のものの意外な組み合わせ - 予算や常識を無視した突飛な案 4. 各アイデアは「名前 — 一言説明」の1行で書く。長い説明はしない。 5. この段階では評価・絞り込み・おすすめの表明はしない。 6. 利用者から「選んで」と頼まれたら、実現性と新しさの2軸で上位5案を理由付きで選ぶ。
HANDS-ON — 全員で一緒に進めます

§1.3チャットで一言、使ってみる

1
Claude アプリのチャットで、一言だけ打つ(〜4分)
この体験はコースに関係なく、Claude デスクトップアプリの Home 画面で行います(ブラウザの claude.ai でも可)。入力欄の下のモード切替が「チャット」になっていることを確認してください(Cowork ではありません)。brainstorming スキルは運営が組織スキルとして共有済みのため、インストール操作は不要です。次の一言だけを送ります。テーマは自分の業務のもの(機密情報を含まないもの)に置き換えて構いません。
HomeCode
1
社内の勉強会のテーマのアイデアを出して3
チャットCowork2
Opus 4.8
  • 1上部のタブは「Home」のまま(Code タブは使いません)
  • 2入力欄の下のモード切替を「チャット」にする
  • 3プロンプトを一言だけ打って送信する
打つのはこれだけ
社内の勉強会のテーマのアイデアを出して
「30個」とも「切り口を変えて」とも指示していないのに、30個・3つの切り口・番号付き一覧で出てくれば、スキルが効いています。説明文の「いつ使うか」に頼みごとが合致すると、自動で発動する仕組みです。
2
発動しなかったら、明示的に呼ぶ
出力が30個・3つの切り口の形になっていなければ、スキルは発動していません。入力欄に /brainstorming と打ってスキルを選び、そのまま続けて同じプロンプトを送ってください。明示的に呼べば、必ずスキルの手順で動きます。
期待される結果
  • 一言のプロンプトで、前回5行かけた「アフター」と同じ形式(30個・3つの切り口)の出力が出た
  • 入力欄で / を打つと、スキル一覧に brainstorming が表示される

§1.3bつまずいたときの確認ポイント

  • A入力欄に / を打っても brainstorming が出てこない → 画面左下のアカウントが IFTC(Team)になっているか確認してください(個人用 Free に切り替わっていると組織スキルは出ません)。サイドバーの「カスタマイズ」→「スキル」の一覧に「brainstorming(作成者: あなたの管理者)」があるかも確認できます。それでも出なければ挙手してください
  • B出力が30個・3つの切り口の形にならない → スキルが発動していません。ステップ2の明示呼び出し(/brainstorming)で続行してください
体験しながら押さえるポイント
  • スキルの正体はただの手順書(テキストファイル1枚)——手順を日本語で書ければ、プログラミングの知識なしで作れます
  • 呼び出しは一言——前回5行かけた指示が短くなる、これがスキル化の価値です
  • 手順書は使うときだけ読み込まれます(§4.1 の伏線です)

この「一度教えて、あとは再利用」を業務全体に広げた例: 楽天は社内手順どおりの管理会計レポート作成を、スキルで丸1日→約1時間に短縮しています(Anthropic 公式ブログ)。

今日の流れはこの一周です——使う(いま体験した)→ 作り方を見る(次のデモ)→ 自分で作って使う(ハンズオン)
DEMO2

講師デモ — スキル:会話で作る・自動で効く Cowork

8分

さっき使ったスキルを、今度は作る側に回ります。Cowork では会話だけで作れます。

講師がこれから見せること — 話しかけるだけでスキルができる

題材は「打合せメモ→議事録の整形」です。会議のたびに発生する、繰り返し作業の定番です。

1
「議事録整形のスキルを作りたい」と話しかける
Claude が「どんな見出しにしますか」「文体は」と質問しながら、SKILL.md(手順書)を作ってくれます。ファイルを自分で書く必要はありません(skill-creator という公式スキルが対応します)。ただしこの時点ではファイルができただけで、スキルとしてはまだ登録されていません。
2
zip にして「カスタマイズ」→「スキル」に登録する
できたスキルのフォルダを zip にし、サイドバーの「カスタマイズ」→ 設定画面の「スキル」「追加」からアップロードします。登録して初めてスキルとして使えるようになります——作成と登録が別ステップである点に注目してください。
3
新しいセッションで、別の打合せメモを渡して「議事録にして」
登録したスキルが自動で適用されます。明示的に「あのスキルを使って」と言わなくても、説明文に合う場面なら Cowork が自分で選んで使います(サイドバーの / から明示的に呼ぶこともできます)。
デモのインプット(配布)

デモで使うファイルです(架空の会社の会議データ)。あとで同じ手順を自分でなぞれます。
スキル作成の材料: mojiokoshi-01.txt(週次定例会の文字起こし)/ できたスキルを適用する別のメモ: memo-02.txt(打合せの走り書きメモ)

見ながら着目してほしいポイント
  • ファイルを書かなくても、会話だけでスキル(SKILL.md)が作れること
  • 作成と登録が別ステップであること——セッション内では登録までは行われず、「カスタマイズ」→「スキル」への zip アップロードで有効になります(ハンズオンで同じ手順をなぞります)
  • 明示的に呼ばなくても自動で効くこと——説明文の「いつ使うか」が判断材料です

出典: How to create a skill with Claude through conversation(公式チュートリアル) / Use skills in Claude(公式ヘルプ)

HANDS-ON3

コース別ハンズオン

30分

スキルを1つ、自分の手で作って使います。プロンプト例(作る用・使う用)は配布データの README.txt(本文の開閉ブロックにも同じ内容があります)を見ながらで構いません。Claude CodeCowork か、自分のコースのブロックに進んでください。今日の成功条件はどちらのコースも同じ——「作ったスキルが、短いプロンプトで発動する」です。

HANDS-ON — 自分のPCで操作してください(開発コース)

§3.1スキルを作って使う Claude Code

前提(始める前に確認)
  • Claude Code にサインインできている(デスクトップアプリの「Code」タブ/VS Code 拡張のどちらでもOK)
  • 配布データをダウンロードしてある(下の「配布データ」参照。解凍はステップ1で行います)
配布データ

code-skill-practice-set.zip をダウンロードしてください。お題ごとのフォルダ(odai1〜odai3)に、観点・様式とスキルの入力に使うファイルが入っています(すべて架空データ)。中身の対応表と、お題ごとのプロンプト例(スキルを作る用・使う用)は同梱の README.txt にあります。

課題は「繰り返し作業を1つスキルにして、使ってみる」です。§1 では出来合いのスキルを使いました——今度は作る側を一周します。プロンプトは自分のことばで頼んでも、README.txt のプロンプト例を見ながらでも構いません(自分で書くときはプロンプトのコツ#2がヒントです)。

1
準備 — Claude Code を開いて、お題のフォルダを開く(〜5分)
ダウンロードした zip を解凍します。下のお題メニューから1つ選び、Claude Code(デスクトップアプリの「Code」タブ/VS Code 拡張)でそのお題のフォルダ(例: odai1-review)を作業フォルダとして開きます。
2
スキルを作る(〜12分)
「〇〇をするスキルを .claude/skills/ に作って」と頼みます(プロンプト例は README.txt)。確実なのは、一度長い指示で作業を実行してから「いまの手順をスキルにして」と頼む方法です(実際に動いた手順が手順書になります)。置き場所は .claude/skills/名前/SKILL.md(フォルダ名がそのまま呼び出しコマンド名になります)。
3
SKILL.md を開いて中身を確認し、新しいセッションを立ち上げる(〜3分)
できた .claude/skills/名前/SKILL.md をエディタで開き、description「何を・いつ使うスキルか」が入っているか、手順が意図どおりかを確認します(足りなければ直接追記して構いません)。確認したら新しいセッションを立ち上げます——作ったスキルは、新しいセッションでないと読み込まれません/skills の一覧に出ていれば準備完了です。
4
プロンプトを打って、スキルが使われることを確かめる(〜10分)
README.txt の「使うプロンプト」(または自分のことば)を打ちます。スキルが読み込まれ、観点・様式どおりの出力が出れば成功です。自動で発動しなければ /スキル名 で明示的に呼んでください。気になった点があれば SKILL.md に追記すれば、その場で直せます。
お題メニュー(スキルにする繰り返し作業)
  • 1. コードレビュー観点スキル【最小構成】 — 観点リスト(odai1-review/review-checklist.md)の観点を SKILL.md の本文に書き込む型。入力は target-01/ のソース(target-02/ はもう一度試す用)。品質を一定に保てる推しのお題
  • 2. 障害報告書テンプレスキル【様式ファイルつき】 — 様式(template-incident-report.md)をスキルのフォルダに同梱して参照させる型。入力はログ+担当者メモ(incident-01。もう1件分あり)。長い手順を毎回書かずに済む
  • 3. テストデータ生成スキル【最小構成】 — 項目定義書(odai3-testdata/item-def-01.md)から正常系/異常系のテストデータを生成(item-def-02.md はもう一度試す用)。繰り返し使う定型作業

配布データの代わりに、自分の題材や Claude に作らせたデータを使っても構いません。機密情報・個人情報は使わないでください。

README.txt と同じ内容(ファイル対応とプロンプト例)をここにも載せています。お題をクリックすると開きます。

READMEお題1 コードレビュースキル【最小構成】 — プロンプト例

観点: review-checklist.md(レビュー観点5つ)/入力: target-01/target-02/ はもう一度試す用。意図的な問題を複数含みます)

作るプロンプト
review-checklist.md のレビュー観点でコードレビューを行うスキルを .claude/skills/code-review/ に作ってください。観点は SKILL.md の本文に書き込んでください。指摘は「重要度・該当箇所・理由・修正案」の形式で出すようにしてください。
使うプロンプト
/code-review target-01 のソースをレビューして
READMEお題2 障害報告書作成スキル【様式ファイルつき】 — プロンプト例

様式: template-incident-report.md/入力: incident-01-log.txtincident-01-memo.txtincident-02 の2ファイルはもう一度試す用)

作るプロンプト
ログと担当者メモから障害報告書を作るスキルを .claude/skills/incident-report/ に作ってください。template-incident-report.md をスキルのフォルダにコピーして同梱し、報告書は必ずこの様式で出力するよう手順に書いてください。
使うプロンプト
/incident-report incident-01-log.txt と incident-01-memo.txt から障害報告書を作って
READMEお題3 テストデータ生成スキル【最小構成】 — プロンプト例

入力: item-def-01.md(会員マスタ項目定義書。item-def-02.md はもう一度試す用で、会員IDを会員マスタと整合させる制約があります)

作るプロンプト
項目定義書から正常系・異常系のテストデータ(CSV)を作るスキルを .claude/skills/testdata-gen/ に作ってください。正常系は10件、異常系は制約違反の種類ごとに1件ずつ作る方針を手順に書いてください。
使うプロンプト
/testdata-gen item-def-01.md からテストデータを作って
期待される結果
  • /skills の一覧に、作ったスキルが表示された
  • 短いプロンプトでスキルが発動し、観点・様式どおりの出力が出た

§3.1bつまずいたときの確認ポイント

  • Aスキルが呼べない → まず新しいセッションかを確認(作成前から開いていたセッションでは読み込まれません)。次にフォルダ名=コマンド名です。.claude/skills/名前/SKILL.md の置き場所と綴りを確認してください
  • B自動で発動しない → description「いつ使うか」が書けているか確認。「〇〇のときに使う」まで書くと Claude が判断できます
  • C作ったスキルが認識されているか分からない → /skills と打つと、いま使えるスキルの一覧が確認できます
HANDS-ON — 自分のPCで操作してください(業務コース)

§3.2スキルを作って使う Cowork

前提(始める前に確認)
  • Claude デスクトップアプリの Home 画面で、入力欄のモードを「Cowork」に切り替えられる
  • 配布データをダウンロードしてある(下の「配布データ」参照。解凍はステップ1で行います)
配布データ

cowork-skill-practice-set.zip をダウンロードしてください。お題ごとのフォルダ(odai1〜odai3)に、様式・観点のファイルとスキルの入力に使うファイルが入っています。中身の対応表と、お題ごとのプロンプト例(スキルを作る用・使う用)は同梱の README.txt にあります。

前回と同じく、Cowork の作業中はアプリを閉じない・PCをスリープさせないでください。

課題は「繰り返し作業を1つスキルにして、使ってみる」です。§1 では出来合いのスキルを使いました——今度は会話で作る側を一周します。プロンプトは自分のことばで頼んでも、README.txt のプロンプト例を見ながらでも構いません。

1
準備 — Cowork を開いて、お題のフォルダを選ぶ(〜5分)
ダウンロードした zip を解凍します。Claude デスクトップアプリの Home 画面で入力欄のモードを「Cowork」に切り替え、下のお題メニューから1つ選んで、入力欄の下のフォルダ選択そのお題のフォルダ(例: odai1-seminar-report)を指定します。
HomeCode
本日はどのようなお手伝いをさせていただきますか?
チャットCowork1
Opus 4.8
📁 C:\…\cowork-skill-practice\odai1-seminar-report2
  • 1入力欄の下のモード切替を「Cowork」にする
  • 2フォルダ選択で、解凍してできたお題のフォルダを指定する
2
会話でスキルを作る(〜10分)
「〇〇のスキルを作りたい」と話しかけて作らせます(プロンプト例は README.txt)。Claude が「どんな見出しにしますか」「文体は」と質問しながら SKILL.md(手順書)を作ってくれます(skill-creator という公式スキルが対応します)。様式・観点のファイルがあるお題は、そのファイルを踏まえるよう伝えます。できた SKILL.md を開き、説明文(description)に「何を・いつ使うか」が入っているか確認してください。この時点ではファイルができただけで、スキルとしてはまだ登録されていません
3
zip にして、「カスタマイズ」→「スキル」に登録する(〜5分)
まずエクスプローラーで zip を作ります。お題のフォルダの中にできているスキルのフォルダ(例: seminar-report)を右クリックし、次の順にたどります。
スキルのフォルダを右クリック圧縮先...ZIP ファイル
次にサイドバーの「カスタマイズ」を開き、設定画面の「スキル」「追加」から、その zip をアップロードします。一覧に並べば登録完了です(Cowork のセッション内では登録までは行われません——この一手間が必要です)。
設定
カスタマイズ
スキル1
コネクタ
プラグイン
スキル 参照追加 ▾2
スキル作成者
seminar-reportあなた3
brainstormingあなたの管理者
skill-creatorAnthropic
  • 1サイドバーの「カスタマイズ」→ 設定画面の「スキル」を開く
  • 2「追加」から、作ったスキルの zip をアップロードする
  • 3アップロードしたスキルが「作成者: あなた」として一覧に並べば登録完了(§1 で使った brainstorming は「作成者: あなたの管理者」=運営の共有分です)
4
新しいセッションで、プロンプトを打って確かめる(〜10分)
新しいセッションを立ち上げてから(登録したスキルは新しいセッションで読み込まれます)、README.txt の「使うプロンプト」(または自分のことば)で、お題の入力ファイルの処理を頼みます。スキルが適用され、様式・観点どおりの出力が出れば成功です。自動で適用されなければ「〇〇スキルを使って」と一言足してください。直したいときは SKILL.md に追記し、ステップ3と同じ方法で登録し直します。
お題メニュー(スキルにする繰り返し作業)
  • 1. セミナー参加レポートスキル【様式ファイルつき】 — 社内様式(odai1-seminar-report/report-format.md)を踏まえたスキルを作り、先週の第2回ワークショップの文字起こしsession02-mojiokoshi.vtt)を参加レポートに整える。研修・セミナーのたびに発生する定番の推しお題
  • 2. アンケート結果集計スキル【最小構成】 — 集計の方針を会話だけで決めて作る型。第2回ふりかえりアンケートの回答CSVodai2-survey/reflection-session02-masked.csv)を、選択式設問の集計と自由記述の分類にまとめる。運営が毎回行っている実作業そのもの
  • 3. ドキュメントレビュースキル【様式ファイルつき】 — レビュー観点と社内表記ルール(odai3-docreview/review-kanten.md)を踏まえたスキルで、通知文ドラフト(oshirase-draft-01.txt)を点検・指摘(tejunsho-draft-02.txt はもう一度試す用)。通知文・手順書・報告書などどんな文書にも繰り返し使える

配布データの代わりに、自分の題材や Cowork に作らせたデータを使っても構いません。機密情報・個人情報は使わないでください。

お題1・2の入力は架空データではなく、先週の第2回の実データです(文字起こしは人名を匿名化済み、アンケートは匿名回答)。運営が実際にやっている作業を、そのまま体験します。

README.txt と同じ内容(ファイル対応とプロンプト例)をここにも載せています。お題をクリックすると開きます。

READMEお題1 セミナー参加レポートスキル【様式ファイルつき】 — プロンプト例

様式: report-format.md/入力: session02-mojiokoshi.vtt(第2回の文字起こし。タイムスタンプや言い直し・雑談を含む WebVTT 形式)

作るプロンプト
セミナー参加レポート作成のスキルを作りたい。report-format.md の様式に沿って、研修やセミナーの文字起こしから参加レポートを作るスキルにして。
使うプロンプト
session02-mojiokoshi.vtt から参加レポートを作って
READMEお題2 アンケート結果集計スキル【最小構成】 — プロンプト例

入力: reflection-session02-masked.csv(第2回ふりかえりアンケートの回答・66件・匿名)

作るプロンプト
アンケート結果集計のスキルを作りたい。選択式の設問は選択肢ごとの件数を表にして、自由記述はカテゴリに分類して件数と代表的なコメントをまとめる形式にして。
使うプロンプト
reflection-session02-masked.csv を集計して
READMEお題3 文書レビュースキル【様式ファイルつき】 — プロンプト例

観点: review-kanten.md(レビュー観点と社内表記ルール)/入力: oshirase-draft-01.txttejunsho-draft-02.txt はもう一度試す用。それぞれ意図的な問題点を8個以上含みます)

作るプロンプト
文書レビューのスキルを作りたい。review-kanten.md の観点と表記ルールに沿って問題点を洗い出し、修正案を提示するスキルにして。
使うプロンプト
oshirase-draft-01.txt をレビューして
期待される結果
  • 「カスタマイズ」→「スキル」の一覧に、作ったスキルが「作成者: あなた」として並んだ
  • 短いプロンプトでスキルが適用され、様式・観点どおりの出力が出た

§3.2bつまずいたときの確認ポイント

  • A作ったはずのスキルが「カスタマイズ」→「スキル」の一覧にない → セッション内で作っただけでは登録されません。ステップ3(zip 化 →「追加」からアップロード)を行ってください
  • Bスキルが発動しない → まず新しいセッションかを確認(作成に使ったセッションでは読み込まれません)。次に説明文に「いつ使うか」が書けているか確認。「〇〇のときに使う」まで書くと自動で適用されやすくなります
  • C作業が途中で止まる → Cowork の作業中はアプリを閉じない・PCをスリープさせないでください(前回と同じ注意です)
FEEDBACK4

種明かし — コンテキストの「選択」 共通

6分

§1.1 のたとえ(初日のプロジェクト説明と、棚の手順書)で押さえた考え方を、ここでは Anthropic の公式ドキュメントの記述で一段掘り下げます。今日作ったスキルが「なぜ・どう動いたのか」の種明かしです。

§4.1スキルの仕組み — 構造・読み込み・発動条件

公式ドキュメントによれば、スキルの実体は SKILL.md を含むフォルダです。SKILL.md は冒頭のメタ情報(namedescription)と本文の手順で構成され、同じフォルダに様式・テンプレート・スクリプトなどの同梱ファイルを置けます。ハンズオンの【様式ファイルつき】のお題は、この同梱型でした。

この手順書は、公式がプログレッシブ・ディスクロージャー(段階的開示)と呼ぶ方式で、3段階に分けて読み込まれます。イメージはこうです——コンテキスト(作業記憶)に常駐するのは L1 だけで、残りは必要になった段階で開かれます。

スキルのフォルダ(置き場所)
コンテキスト(AI の作業記憶)
L1 名前・説明文
SKILL.md の冒頭数行
常時━━▶
常駐している
スキル1つあたり約100トークン。Claude は「棚のどこに何があるか」を常に知っている
L2 本文(手順)
発動したときだけ╌╌▶
合致したときだけ開かれる
頼みごとが説明文に合うと、手順が読み込まれる
L3 同梱ファイル
様式・テンプレート・スクリプト
入らない
コンテキストには載らず、必要なとき参照・実行されるだけ
だから CLAUDE.md(常に全文が読まれる)と違い、スキルは置いておくだけなら、ほとんど余白を食いません。使うときだけ手順が開かれます。

スキルが「自動で効く」仕組みも L1 にあります。名前と説明文は常時コンテキストにあり、頼みごとが説明文に合致すると Claude が自分で判断して本文を開きます。公式ドキュメントが説明文に「何をするか」と「いつ使うべきか」の両方を書くよう求めているのはこのためで、ハンズオンで description にこだわった理由でもあります。

では「事実」と「手順」、どちらを前提ファイルに、どちらをスキルに入れるか。公式の使い分けはこうです。

  • A事実は CLAUDE.md、手順はスキルへ。公式ドキュメントは「ある項目が複数ステップの手順なら、スキルに移すこと」としています("If an entry is a multi-step procedure ... move it to a skill")
  • BCLAUDE.md は200行以内が目安。膨らんできたら、詳しい手順はスキルへ切り出します
  • C「同じプロンプトを3回貼っていたら、スキルにする」——これが、スキル化を考えるわかりやすい合図です
Coworkスキルまわりの押さえどころ
  • 登録・管理はサイドバーの「カスタマイズ」→「スキル」から。セッション内で作った SKILL.md は、zip にしてここからアップロードして初めて有効になります(セッション内では登録までは行われません)
  • スキルは場面に合えば自動で適用されます(明示的に呼び出さなくてもよい)
  • スキルには Personal / Shared / Organization の3階層があり、共有範囲を選べます(組織全体への配布はオーナーのみ
  • デモの「話しかけるだけでスキルができる」は、skill-creator という公式スキルが対応しています——スキルを作る作業自体もスキルでできている、という入れ子構造です

出典: Use skills in Claude(公式ヘルプ) / Provision and manage skills(公式ヘルプ) / How to create a skill with Claude through conversation(公式チュートリアル)

出典: Manage Claude's memory / Skills(いずれも Claude Code 公式ドキュメント。後者に「Unlike CLAUDE.md content, a skill's body loads only when it's used」=スキル本文は使われたときにだけ読み込まれる、と明記) / Agent Skills overview(Anthropic 公式・3段階の読み込みの原典)

§4.2今日の道具立ての全体像

第2回の「コンテキストの中身」の図に、今日の内容を重ねるとこうなります。裏テーマは「コンテキストの選択」——何を見せるかを設計する。これが使いこなしの中級編です。

問題 答え Claude Code Cowork
毎回同じ説明をしている 常に読ませる CLAUDE.md プロジェクトの指示・メモリ
たまに使う手順が長い 必要なときだけ読ませる Skills(/コマンド Skills
作ったスキルは、あなた一人の道具で終わりません。プロジェクトの .claude/skills/Git で共有すれば、チーム全員の道具になります。Cowork なら共有スキル・組織スキルの仕組みがあります。さらにスキルの書式はオープン標準agentskills.io)になっており、他社のAIツールも同じ形式を読めます——今日書いた手順書は、特定ツールに縛られない資産です。
EXERCISE5

持ち帰り演習

次回まで

次回(7/23)までの宿題です。スキル化とは、自分の頭の中にしかなかった手順を書き出すことです。書き出した手順書は自分の資産になり、共有すればチームの資産になります。今日の考え方を、自分の業務の定型作業で1回実践してください。

先行者はこう使っています
  • Anthropic 社内では、従業員が日報・レビュー・デプロイなどの数百個のスキルを運用しています。中央の管理組織はなく、個人が作り、Slack で共有し、定着したものが組織の道具に昇格する方式です(公式ブログ
  • 日本でも「業務の6作業をスキル化したら、自分が繰り返していた作業が見えるようになった」という実践報告があります(いえらぶGROUP役員の体験記・Qiita)。スキル化の副産物は、自分の仕事の棚卸しです
目的

自分が繰り返しやっている作業を1つスキル化し、2回以上呼び出して「手順の再利用」の効果を体感することです。

やること(順番にやればOK)
1
繰り返している作業を1つ選ぶ
週次・月次でやっている定型作業や、何度も同じ形式で作るもの(例: 議事メモの整形、週報の下書き、定型チェック)。機密情報を含まない範囲で選びます。
2
手順を箇条書きにして、スキルにする
「入力は何か」「どんな手順で」「出力はどんな形式か」を箇条書きにし、今日のハンズオンと同じ方法でスキルとして登録します。
3
2回呼び出して、直す
別々の入力で2回使ってみて、気に入らなかった点をスキルの手順書に追記します。1回で完成させようとしないのがコツです。
4
結果をメモしておく
「何をスキル化したか」「2回目はどれだけ楽になったか」を一言メモします。次回の冒頭に、テーブル内で1人2分ずつ発表します(画面を見せながらでOK・スライド不要)。
スキル化に向かない作業を選んでしまった、という失敗も立派な学びです。「なぜ向かなかったか」を次回聞かせてください。
期待される結果

自分の定型作業のスキルが1つ登録されていて、2回目の呼び出しが1回目より明らかに短い指示で済んだ——この体験が得られれば成功です。

§5.1つまずいたときの確認ポイント

  • Aスキル化する作業が思いつかない → 「先週もやった気がする作業」を探してください。メールの定型返信の下書き、会議メモの整形、ファイルの命名整理などが定番です
  • Bスキルが呼び出せない → 登録した場所と名前を確認してください(ハンズオンの手順を再確認)。新しいセッションで試すことも忘れずに
  • Cスキルどおりに動かない → 手順書が曖昧なのが典型原因です。「いい感じに」ではなく、入力・手順・出力形式を具体的に書き直してみてください
CLOSE6

クロージング

§6.1今日の持ち帰りポイント

1
コンテキストは有限。「何を見せるか」を選ぶことが、使いこなしの本質。
2
いつも要ることは前提ファイルへ、ときどき要る手順はスキルへ。1回教えれば、2回目からは一言で済む。
3
スキルはただの手順書=暗黙知の言語化。1回で完成させず、使いながら直す。共有すればチームの資産になる。

次回予告 — 第4回(7/23)

外部ツールとの連携①(テーマ調整中):Claude を外部のツール・サービスとつなぐ回です。MCP(外部連携の標準規格)とプラグイン(スキルや連携設定をまとめて配布する仕組み)を扱う想定です。詳細は確定し次第、事前案内でお知らせします。

アンケートのお願い

最後に、今日のふりかえりアンケートにご回答ください。コース別の進め方調整の材料にします。

▶ ふりかえりアンケートに回答する(Microsoft Forms)

リファレンス

当日は触れませんが、もう一歩知りたくなったとき用のメモです。