Session 01 — 2026-07-02 | セットアップ・初体験

まずは Claude を触ってみる

対象: IFTC・ITSV・ITHD

今日のゴールは、講義と実践を通してClaudeのポテンシャルを感覚的に理解すること。開発経験はいりません。

今日のタイムスケジュール

時刻
内容
主役
18:00–18:10
はじめに
INTRODUCTION
講師
18:10–18:15
自己紹介タイム(テーブルごと)
INTRODUCTION
みなさん
18:15–18:25
Claude とは何か
INTRODUCTION
講師
18:25–18:35
デモ: アーティファクトで動くページ・ツールを作ってみせる
DEMO
講師
18:35–19:00
ハンズオン:アーティファクトを使ってみる
HANDS-ON
みなさん
19:00–19:20
ふりかえりと解説(仕組み編・管理編)
FEEDBACK
講師
19:20–19:30
まとめ・次回予告・アンケート
CLOSING
講師
INTRO0

はじめに

§0.1このワークショップのねらい

会社をAI Readyな状態に — そんな想いから企画しました。全5回を通して、我々全員が以下の状態になっていることを目指します。

1
今のAIの実力を体感する。AIの性能は数か月単位で上がり続けています。少し前に「この程度か」と感じた方も、印象が更新されるはずです。その中でも性能の高いClaudeを使うことで、「AIはここまでできるようになったんだ」という感覚をつかんでいただきます。
2
AIの能力を最大限引き出す方法を理解する。単にチャットする以外にもskillやhookなど様々な機能やツールへの連携方法を学ぶことで、「AIを使いこなせている」状態を目指します。
3
AIリテラシーを身につける。業務利用を見据えてClaudeのセキュリティやガバナンス、コスト等について理解し、次のアクションにつなげられるようにします。
この講義のスタンス

はじめにお伝えしておきます。講師たちも日頃から仕事でAIを使ってはいますが、AIの専門家でも、講師のプロでもありません。AIは進化が速く、誰にとっても「正解を全部知っている」状態にはなりえない分野です。だからこの場は、講師が答えを一方的に教える場ではなく、みなさんと一緒に試して発見していく場だと考えています。

だからこそ、受け身で待つより、自分から動いてもらえると何倍も身につきます。たとえば — 自分の仕事に使えそうな活用事例を自分で探してみる。使い方が分からないことは、AI自身に「これってどうやるの?」と聞いてみる。気になったら教材から少し外れて寄り道してみる。そうした自発的な動きを歓迎しますし、見つけたことはぜひこの場やアンケートで共有してください。

この講義の受け方

今回はいろいろな部署から、管理職から新人の方まで、エンジニアも非エンジニアも、いろいろな立場の方が集まっています。AIをすでに使い込んでいる方もいれば、今日が初めての方もいます。そこで講師の説明は、はじめての方のペースに合わせて進めます。すでに慣れている方には、ゆっくりに感じる場面があるかもしれません。

そんなときは、説明を待っているだけでなく、どんどん Claude を触ってください。お題を先に進める、気になることを自分で試す、別のことを聞いてみる — 自由に使ってもらってかまいません。

§0.2自己紹介タイム(テーブルごと)

本題に入る前に、同じテーブルになった方どうしで自己紹介をしましょう(全員の前ではありません)。今日のハンズオンや次回以降は、テーブルのメンバーで作ったものを見せ合ったり、助け合ったりします。先に顔見知りになっておくと、ぐっとやりやすくなります。

やり方(1人1分くらい)

講師の合図で始め、テーブルの中で順番にどうぞ。話す内容は自由です。お名前とグループだけ言っていただければ、あとは話したいことを、話せる範囲でかまいません。

たとえば、こんなことを話してもOKです(いずれも任意)。

  • 普段の仕事(どんな業務をしているか)
  • AI を普段どれくらい使っているか/使ってみたいこと
  • このワークショップへの意気込み・楽しみにしていること

§0.3全5回の流れ

このワークショップは全5回・週1回(毎週木曜18:00–19:30)で進みます。前半はAIに慣れること、後半は自分の業務へつなげることに重きを置いています。1〜2回目は開発経験がなくても無理なく参加できる内容です。第3回からは、開発をする方は「Claude Code」、それ以外の方は「Cowork」の2コースに分かれて進みます(くわしくは下の表の下の囲みを参照)。

日付 テーマ この回で体験すること
1 7/2(木) 初体験 まず Claude を触り、アーティファクトで何かを作ってみる(いまここ)
2 7/9(木) 外部ツール連携(MCP) Claude を外部のサービスとつなぐ仕組み(MCP)を体験。Microsoft 365(Excel / Word / PowerPoint / Outlook)への接続なども扱う
3 7/16(木) Claude Code / Cowork 入門 開発向けの Claude Code と、知的作業向けの Cowork を、まず動かしてみる
4 7/23(木) Claude Code / Cowork 実践 Claude Code と Cowork をより深く使う(前提やルールを覚えさせる・作業を再利用する/CLAUDE.md・Skills など)
5 7/30(木) Claude Code / Cowork 実践+総括 さらに実践的に使いながら、全5回のまとめ(総括)を行う
数週間後(後日ご案内) 同窓会(開催予定) 全5回のあと、Claude で作ったものを持ち寄って見せ合う会を開くかもしれません。詳細が決まりしだいご案内します

あなたの関心は、主にどの回で扱う?

あなたの関心・仕事 主に扱う回(目安)
まず Claude に慣れる/文章・要約・調べもの/動くものを作る 第1回(今日)〜
外部サービスとの連携(Microsoft 365・Slack・Notion など。仕組みは共通なので Salesforce 等にも応用可)/議事録・問い合わせ対応などの自動化 第2回(MCP・外部連携)
資料そのものを作る・直す(Excel・Word・PowerPoint) 第2回(Microsoft 365 連携)
コードを書く仕事(実装・テスト・設計書・レビュー、Salesforce 開発など) 第3〜5回(Claude Code)
開発以外の作業を任せる(複数手順の代行・PC上のファイル作業) 第3〜5回(Cowork)
AIに前提やルールを覚えさせる・作業を再利用する(CLAUDE.md・Skills) 第4回
プロンプトの精度を上げる・AIの間違いの見分け方 第2回以降で順次

今日(第1回)は、上のどれにも通じる“土台”をつくる入門回です。自分の本命が後ろの回でも、今日の「頼んで→直す」リズムはそのまま活きます。

第3回からは、進み方が2コースに分かれます。開発(コードを書く仕事)をする方は「Claude Code」それ以外の方は「Cowork」です。各回のデモでは両方をお見せするので、ハンズオンはお好きな方を選んでもらえます。途中でコースを変えても、両方やってみてもかまいません。
内容は参加者の状況に応じて調整する場合があります。今日(第1回)は、Claude デスクトップアプリでAIそのものに慣れる回です。VS Code から使う Claude Code、PC上のファイル作業を任せる Cowork は、いずれも第3回から登場します。

§0.4機密情報はAIに読ませない(最初に必ず)

体験に入る前に、これだけは先にお伝えします。当社のルール上、顧客や会社の機密情報をAIに読ませることはできません(顧客と個別に契約などを結んでいる場合を除きます)。

顧客名・契約内容・個人情報・社外秘の資料などは、Claude に入力しないでください。今日の練習題材は架空・一般的な内容なので心配いりませんが、この線引きは初日のうちに体に入れておいてください。詳しい理由は、体験のあとのふりかえり(FEEDBACK 4・5)で説明します。

§0.5サインインの確認

今日の体験では Claude デスクトップアプリを使います。事前にお送りしたセットアップガイドでインストールとサインインまで済ませていただいている前提なので、ここでは当日すぐ使える状態かだけを確認します。

ブラウザ版(claude.ai)でもほぼ同じことができますが、今日は全員アプリに揃えます。アプリの方がファイルを扱う操作などがしやすく、画面も同じなので説明についてきやすいためです。VS Code から使う「Claude Code」は第3回から登場します(今日は使いません)。
HANDS-ON — 全員で一緒に進めます
1
Claude デスクトップアプリを起動する
スタートメニューから「Claude」を起動します。見当たらない場合は、事前ガイドの手順でインストールできているか確認してください(巡回スタッフがサポートします)。
2
サインイン状態を確認する
自分のアカウント名が表示されていればサインイン済みです。サインイン画面が出たら、配布された 組織アカウント(Claude Team) でサインインします。
3
チャット画面が開くことを確認する
メッセージを入力する欄が表示されれば準備完了です。まだ何も入力しなくて大丈夫です。
期待される状態

Claude アプリのチャット欄に文字を入力できる状態になっていれば準備完了です。ここでつまずいた方は、無理に進めず手を挙げてください。巡回スタッフが個別にサポートします。

サインインは、個人プランではなく、今回のために用意した組織契約の Claude Team アカウントで行います。アカウント情報は運営から別途ご案内しているものを使ってください。
Claude Code を先に触りたい方へ(任意)

VS Code から使う Claude Code第3回から本格的に扱いますが、開発をされる方など先に触りたい方は、セットアップが済めば今すぐ使い始めて構いません。手順は事前配布のセットアップガイドの「2. Claude Code」にまとめてあります(APIキーは不要、組織の Team アカウントでサインインするだけです)。今日のハンズオン(§3.1 の C)を Claude Code で進めてもOKです。

PART1

Claude とは何か

15分

手を動かす前に、今日使う道具を10分だけ説明します。仕組みの詳しい話は、体験のあとのふりかえり(FEEDBACK 4)にまとめてあります。

§1.1Claudeとは

  • 提供元: Anthropic(アンソロピック)社。AIモデル「Claude(クロード)」をつくっている会社です。
  • 今日の使い方: Claude デスクトップアプリのチャット画面に日本語で話しかけるだけです。
  • できること: 質問に答える・調べる・文章を書く/直す・要約する・表をつくる・翻訳する、に加えて、その場で動くアプリやWebサイトをつくることもできます(あとで体験します)

§1.2他のAIサービスとどう違う?(製品・サービスの比較)

よく名前が挙がる製品・サービスを並べてみます。(その裏側で動くLLMの話は次の §1.3 で扱います)。「どれが一番」ということではなく、得意分野で使い分けるのが現実的です。

AI 提供元 得意なこと・特徴 業務での使いどころ
Claude Anthropic 文章とコードの理解・生成が高精度。長い資料も扱いやすい。Claude CodeやCoworkなど多数の機能をもつ 文書作成・要約・調査・資料/ツール作成(今回使用
ChatGPT OpenAI 最も知名度の高い万能型。会話・文章作成に加え、画像生成や豊富な拡張機能を持つ。コーディングエージェントのCodexもあり 幅広い相談・たたき台づくり・アイデア出し
Gemini Google 画像・音声・動画も扱うマルチモーダル。Google ドキュメントや Gmail などと連携 Google Workspace を使う業務・大量資料の処理
Microsoft 365
Copilot
Microsoft Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams に統合。社内データとつないで使える 普段の Office 作業の中での文書作成・集計・メール
NotebookLM Google 自分がアップロードした資料だけを根拠に答える「資料特化」型。出典つきで、音声要約もできる 大量の社内資料・論文の読み込み/要点把握・調べ物
このほかにも、社内データ向けの Amazon Q Business、ドキュメントツール内蔵の Notion AI など、業務で使えるAIは増え続けています。なお、上の Microsoft 365 Copilot では Claude のモデルも選べるようになっており、ツールの裏側で同じAIが使われることもあります。
出典: Claude vs ChatGPT vs Copilot vs Gemini(IntuitionLabs, 2026) / Microsoft 365 Copilot リリースノート(Microsoft 公式)。AIの機能は短期間で変わるため、最新は各社の公式情報をご確認ください。

§1.3その裏側にある「LLM(基盤モデル)」の比較

§1.2 で並べたのは「製品・サービス」でした。一方、その製品の裏側で実際に文章を理解・生成している“エンジン”を LLM(大規模言語モデル=基盤モデル) と呼びます。製品とエンジンは別もので、たとえば ChatGPT のエンジンは GPT、Gemini アプリのエンジンは Gemini、Claude アプリ・Claude Code のエンジンは Claude です。1つのエンジンが複数の製品を動かすこともあり、先ほど触れたように Microsoft 365 Copilot では裏側のエンジンとして Claude のモデルを選ぶこともできます。ここでは、製品の使い勝手ではなくエンジン(モデル)そのものの性能を比べます。

客観的な指標として、特定のメーカーに属さない第三者機関が、複数のベンチマーク(共通の試験)を各モデルに解かせてスコア化・順位付けしているサイトがあります。代表的なのが Artificial Analysis の「Intelligence Index」で、知識・推論・コーディング・実務タスクなど9種類の評価をまとめた総合スコアです(2026年6月時点)。

順位 モデル 提供元 総合スコア
1 Claude Fable 5(現在利用不可) Anthropic 60
2 Claude Opus 4.8 Anthropic 56
3 GPT-5.5 OpenAI 55
4 Claude Opus 4.7 Anthropic 54
Gemini 3.5 Flash(Google勢の最上位) Google 50

スコアは僅差で、各社が短い間隔で順位を入れ替えている状況です。なお、人間が実際に2つのAIの回答を見比べて「どちらが良いか」を投票で決める LMArena(Arena) という別方式のランキングでも、2026年6月時点では Claude が上位、Gemini・GPT が続く、という近い並びになっています。

出典: Artificial Analysis LLM Leaderboard(Intelligence Index) / Arena(旧 LMArena)Text Leaderboard。いずれも特定メーカーに属さない第三者の比較サイトです。順位・スコアは数週間で入れ替わるため、最新は各サイトでご確認ください。

§1.4Claude が提供する主なサービス

「Claude」はチャットだけではありません。同じ Claude を土台に、用途ごとにいくつものサービスが用意されています。このワークショップで全部を扱うわけではありませんが、AIでこんなことまでできる、という地図として眺めてください。今日触るのは「Claude アプリ」と、その中の「アーティファクト」です。

サービス どんなものか このワークショップでは
Claude アプリ
(チャット)
デスクトップ/ブラウザ/スマホで Claude と日本語で会話する、一番基本の使い方。質問・相談・文章作成・要約など。 第1回(今日)から
アーティファクト
(Artifacts)
チャットの中で、その場で動く Web ページ・アプリ・図などを作って画面の横に表示する機能。公開して URL で共有もできる。 第1回(今日)後半で体験
Claude for
Microsoft 365
Excel・Word・PowerPoint・Outlook に Claude をアドインとして組み込み、いつもの Office アプリの中から Claude を呼び出して資料そのものを作る・直す。 第2回で体験
Claude Code VS Code やターミナルで、AI が自分でファイルを読み書きしたりコマンドを実行したりする「エージェント」型の使い方。開発向け。 第3回から(開発コース)
Claude Design 会話するだけで、プロトタイプ・スライド・1枚ものなどのデザインを作る(Figma や Canva のようなことを Claude で)。 今回は扱いません(紹介のみ)
Claude Cowork PC 上の指定したフォルダに Claude がアクセスし、複数の手順にまたがる作業を自分で進めてくれる、知的作業向けのエージェント。 第3回から(開発以外のコース)
出典: Claude Cowork / Claude for Microsoft 365 / Claude Code(いずれも Anthropic 公式)。サービスは随時追加・更新されています。

§1.5Claude が「できないこと」

Claude は文章とコードを扱うのが得意な一方、何でもできる魔法の道具ではありません。代表的な苦手分野として、次のものは Claude 自身では作れません。

  • 画像の生成: 「イラストや写真風の画像を描いて」といった絵そのものを生成することはできません(画像を読み取って内容を説明することはできます)。画像生成は ChatGPT / DALL·E、Gemini、Midjourney など別のサービスの役割です。
  • 動画の生成: 動画を作り出すこともできません。動画生成は OpenAI の Sora、Google の Veo といった専用サービスが担います。
  • 音声・音楽の生成: ナレーション音声や楽曲をそのまま作ることもできません(こちらも別の専用ツールの領域です)。
今日の合言葉は、「Claude は “言葉でできる仕事” が得意」です。文章・要約・調査・表づくり、そしてその場で動くWebページやアプリ(アーティファクト)はとても得意ですが、絵・動画・音といったメディアそのものを生成する用途は、それぞれ専用のAIを使い分けると覚えておいてください。
出典: Can Claude produce images?(Claude ヘルプセンター, Anthropic 公式)。公式に「Claude は画像生成ツールのように写真やイラストを生成することはしない(図・グラフは HTML・SVG で作成できる)」と明記されています。あわせて画像の読み取り・分析については Vision(Claude 公式ドキュメント) を参照。

§1.6まとめ:なぜ我が社では Claude なのか

ここまでを踏まえて、今回のワークショップで Claude を選んだ理由を整理します。

  • 業務で必要なことの中心と、Claude の得意分野が一致している: 私たちの仕事は、文章の作成・コードの作成・調査が大半を占めます。一方で、画像や動画を生成する場面は限られます。Claude が得意なのはまさに前者なので、我が社の業務にとっては Claude がベストの選択になります(苦手な画像・動画生成は §1.5 のとおり別ツールで補えます)。
  • LLM(基盤モデル)の性能が客観指標でトップクラス: §1.3 で見たとおり、第三者のベンチマークでも人間の比較投票でも Claude は上位です。一番性能の高いモデルを使うほうが、「AIでここまでできるのか」というインパクトを最も感じやすいはずです。
  • エンジニアにも非エンジニアにも“効く”ツールが揃っている: チャットやアーティファクトに加え、開発者向けの Claude Code、知的作業を任せられる Claude Cowork、Office に組み込む Claude for Microsoft 365 など、職種を問わず日々の仕事に取り入れられる選択肢が用意されています(§1.4 参照)。

§1.7デモの前に:アプリの画面を一緒に開いてみる

ここから少しだけ画面を触ります。デモに入る前に、講師と一緒に Claude デスクトップアプリを開いて、「どこに何があるか」をざっと見ておきましょう。難しい操作はありません。講師の画面に合わせて、ゆっくりついてきてください。(§0 でサインインを済ませ、アプリが開いている状態が前提です)

一緒に確認するポイントは次の6つです。

  • 新しいチャットを始める: 画面の左上あたりにある「新しいチャット」。話題ごとにチャットを分けておくと、あとから探しやすくなります。
  • 会話の履歴(左side のサイドバー): これまでのやり取りが一覧で残ります。クリックすればいつでも続きから再開できます。
  • メッセージの入力欄: 画面下の入力欄に日本語で頼みごとを書いて送信します。
  • ファイルを添付する(入力欄の「+」ボタン): PDF・Word・Excel・画像などをアップロードして、その中身を読ませて要約・分析・抽出させられます(§1.5 で触れた「画像の読み取り」もここです)。ただし機密情報は入れないでください(§0.4)。
  • 使うモデルを選ぶ: 入力欄の下(送信ボタンの近く)に今使っているモデル名が表示されています。クリックすると別のモデルに切り替えられ、「More models」で他のモデルも選べます。
    • 違いをひとことで: Opus=最も高性能Haiku=高速・軽量Sonnet=その中間(バランス型)。迷ったら Opus 系で大丈夫です。
    • 同じメニューから Effort(思考の深さ:Low〜Max)Thinking(考える過程を表示するトグル)も切り替えられます。最初は既定のままで問題ありません。
    • 選べるモデルやメニューの並びは、組織(Team)の設定やアプリのバージョンによって異なることがあります。講師の画面と違っても気にしないでください。
  • 設定(アカウント・表示): 自分のアイコンやメニューから設定画面を開けます。表示言語やテーマなどを確認できます。
一緒にやってみましょう

画面を眺めたら、実際に一度だけ送ってみます。

  1. 入力欄の下のモデル名をクリックして、選べるモデルを眺める(切り替えなくてもOK)
  2. 入力欄に 「あなたにできることを、初心者向けに3つ教えて」 と入力して送信する
期待される結果

数秒で、日本語の回答が返ってくれば操作は問題ありません。これでアプリの基本的な触り方は分かりました。次のデモに進みます。

つまずいたときの確認ポイント
  • 選べるモデルが講師の画面と違う/少ない → 組織(Team)設定の差です。既定のままで進めて問題ありません。
  • 「+」ボタンやモデル名が見当たらない → ウィンドウを最大化してみてください。それでも見つからなければ手を挙げて巡回スタッフを呼んでください。
出典: Change the model, effort, and thinking settings(Claude ヘルプセンター, Anthropic 公式) / Get started with Claude(同)。画面の名称・配置はアプリの更新で変わることがあります。
DEMO2

デモ:アーティファクトを使ってみよう

15分

まず講師が実際にやってみせます。このあとみなさんにも使っていただくので、自分はどんなものを作ろうか考えながら見てください。

はじめに:「アーティファクト」とは?

このデモで何度も出てくる「アーティファクト(Artifacts)」という言葉を、先に説明しておきます。アーティファクトとは、Claude が作った成果物(Webページ・アプリ・文書・図など)を、チャットの返事とは別の専用ウィンドウとして画面の横に表示してくれる機能です。名前は難しそうですが、要は「会話の横に出てくる“作品置き場”」です。ポイントは3つです。

  • その場で動きます。作られたページやアプリは、画面の中でそのままクリック・入力して動かせます
  • 会話で直せます。「色を変えて」と続けて頼めば、横の作品がその場で作り直されます
  • チームに共有できます。共有すると URL ができて、そのままメンバーに渡せます(今回の組織アカウントでは、同じ組織のメンバーだけが開けるリンクになります)
出典: What are artifacts and how do I use them? / Publish and share artifacts(いずれも Claude ヘルプセンター, Anthropic 公式)
講師がこれから見せること ① 動くものを作って、チームに共有する

会話で頼むだけで、その場で動く Web ページを作ってもらいます。作ったものは、いま説明したアーティファクトとして画面の横に表示されます。

講師が入力するプロンプトの例自己紹介のWebページを1枚作ってください。 名前・所属・好きなもの・ひとことを載せて、 見た目はシンプルでおしゃれにしてください。

出てきたページを「色を変えて」「写真を入れる場所を作って」と頼んで、その場で直していきます。仕上げにチームへの共有までやってみせます。アーティファクト右上の共有ボタンで URL を発行し、当日の共有先(Teams)に貼るので、みなさんも自分の画面でその URL を開いてみてください。開いた作品の「カスタマイズ(Customize)」を押すと、講師の作品を自分のコピーとして続きから改造できます(元の作品は変わりません)。作る → 共有する → 受け取った人が改造する、までが今日の一連の流れです。

講師がこれから見せること ② じっくり作り込むと、ここまでいける(事前に用意した作品)

さっきはその場で数分で作りました。でも、同じアーティファクトでも、何度も対話を重ねて(壁打ちして)作り込むと、デザインも中身もぐっと本格的になります。これは講師が時間をかけて育てた自己紹介ページです。最初の1枚と見比べてみてください。

一度で完璧を狙わなくていい、というのがここでの学びです。「ここをこう直して」と会話を往復するほど良くなる——これがAIと作るときのいちばんのコツです。

▶ 作り込んだ自己紹介ページを開く

上のリンクが開けない場合(IFTC以外の方など)はこちら(HTML版)をご覧ください。

講師がこれから見せること ③ データを渡すと「分析ダッシュボード」になる(事前に用意した作品)

アーティファクトで作れるのは、見た目のページだけではありません。データを渡すと、集計・分析・グラフ化までやってくれます。これは、このワークショップの参加申込アンケートの回答データ(氏名などを取り除いた匿名化済みのもの)を Claude に貼り付けて作った「参加者分析ダッシュボード」です。つまり、この講座に申し込んだみなさん自身のデータです。

所属ごとの人数、AI活用レベルの分布、「AIでやりたいこと」の傾向が、グラフと考察コメントで一望できます。作り方は「このCSVを貼るので、参加者の傾向がわかるダッシュボードにして」と頼んだだけです。Excel での集計・グラフ・報告資料づくりに時間がかかっている方は、自分の業務データに置き換えながら見てください。

※ 個人が特定できる情報(氏名・メールアドレス等)は取り除いたデータを使っています。みなさんが業務データで試すときも、同じように伏せ字化してから渡してください(§4.4)。

▶ 参加者分析ダッシュボードを開く

上のリンクが開けない場合(IFTC以外の方など)はこちら(HTML版)をご覧ください。

講師がこれから見せること ④ 「半日かかる事務作業」を道具にする — 座席表・グループ分けツール(事前に用意した作品)

最後は、毎回発生する手作業を、そのまま“道具”にしてしまう例です。参加者リストを貼ると、「同じ部署の人は別のテーブルに散らす」「経験年数が偏らないようにする」といった条件つきでテーブル分けを自動生成し、気に入らないところはドラッグ&ドロップで手直しできる座席表ツールです。

こうした作業は、AIに1回だけ代行させて終わりではなく、ツール化して何度でも使い回すところまでいけます。

▶ 座席表・グループ分けツールを開く

上のリンクが開けない場合(IFTC以外の方など)はこちら(HTML版)をご覧ください。

ここに着目してください
  • 完璧な指示はいりません。ざっくり頼むだけで、形になったものが返ってきます
  • 何度でも直せます。「色を変えて」「もっとシンプルに」と追加で頼めば、その場で作り直してくれます。往復を重ねるほど、②のように本格的になります
  • 日本語でそのまま頼めます。特別な書き方やコマンドを覚える必要はありません
  • 「文章を返すAI」を超えています。その場で動くものを作れる — ここが、入力補完ツール(Copilot 等)との大きな違いです
  • データを渡すと、分析までできます。③のように表データを貼れば、集計・グラフ・考察コメントまで一気に形になります
  • 作ったものはチームで共有できます。URL ひとつで渡せて、受け取った人は「カスタマイズ」で自分のコピーとして改造できます
いきなり完成形を狙わなくて大丈夫です。ざっくり頼む → 出てきたものを見る → 直してもらう。この往復が、AIと仕事をする基本のリズムです。
HANDS-ON3

自分で作ってみる

25分

ここからはみなさんの番です。会話だけで動く Web ページ(アーティファクト)を、自分の手でひとつ作ってみましょう。大事なのは「AIがどこまでやってくれるか」を自分の手で確かめることです。

HANDS-ON — 自分のPCで操作してください

§3.1まず「動くもの」を作る(アーティファクト)

講師のデモと同じように、会話だけで動く Web ページを作ってみます。下の例から1つ選んでも、自分の好きなお題でも構いません。はじめての方は A から、AIに慣れている方は B・C や自分の業務に寄せたお題に、どんどん挑戦してください。

自分の仕事だと、たとえば?(今日の延長でできそうなこと。機密は入れず、必要ならマスクして §4.4)

職種 今日ためせる例
経理・会計 仮の数字を貼ってグラフ化+差異コメント/請求チェックの観点リストを作る
人事・総務 研修アンケートの要約・分類/案内文のたたき台/座席表のたたき台
営業・企画 提案書のアウトライン/比較表/メール文面の添削
開発 設計書のたたき台/貼ったコードの説明・レビュー観点出し/技術の調べもの
サポート・運用 問い合わせ回答のたたき台/FAQ の整理・分類
始める前に、画面のモデル選択メニューが Opus になっているか確認してください。このワークショップでは Opus を使います(理由はリファレンス)。

A. まずはここから(かんたん・つかみやすい)

お題 頼み方の例
自己紹介ページ 「自己紹介のWebページを1枚作って。名前・所属・好きなもの・ひとことを載せて、おしゃれにして」
かんたんなクイズ 「3問の〇×クイズができるWebページを作って。答えると正解・不正解が出るようにして」
ミニ診断 「3つの質問に答えると『あなたは〇〇タイプ』と出る診断ページを作って」
カウントダウン 「指定した日までの残り日数を表示するページを作って」

B. 仕事で使えそうなもの(業務に寄せたい方向け)

お題 頼み方の例
進捗管理ダッシュボード 「タスク名・担当者・期限・ステータスを入力できる進捗管理ページを作って。ステータスごとに色分けして」
データのグラフ化 架空の数字(売上など)を貼り付けて「この表を棒グラフにして、気づいたこともコメントして」
料金シミュレータ 「いくつかの数値を入力すると概算が出る料金シミュレータを作って」(金額の計算式も伝える)
チェックリスト/申込フォーム 「〇〇の確認項目をチェックできるチェックリストを作って」「氏名・希望日などを入力する申込フォームを作って」
調べて比較・提案する資料 「〇〇と△△を公式情報でWebで調べて、特徴を表で比較して。そのうえでおすすめと理由を、出典つきの提案資料(Webページ)にして」(例: 技術選定/ツール比較/サービス比較)

C. AIに慣れている方向け(歯ごたえのあるお題)

お題 頼み方の例
データ可視化ダッシュボード サンプル売上データ(sample-sales-data.csv)を Claude に添付するか中身を貼り付けて「このデータを分析して、製品別・月別の売上推移グラフと、気づいたこと(伸びている製品・落ち込んでいる時期)のコメントつきダッシュボードにして」
調べて比較・提案する資料 「○○と△△を公式情報で Web検索 して、出典つきで比較 → おすすめと理由を1枚の提案資料(Webページ)に」(自分の技術選定・ツール選定で)
状態を持つ業務ツール 「複数画面・入力の保存・絞り込みのある〇〇管理ツールを作って」など、一段凝ったUIに挑戦する
公開してレビュー 作ったものを公開し、URL を同僚に渡してフィードバックをもらう(次回テーブル共有の予行にも)
C の「データ可視化」で使うサンプルCSVは assets/sample-sales-data.csv(架空の月次売上データ)です。自分の手元の架空データで試してもOK。実データを使う場合は §4.4 のとおりマスクしてください。
「調べて比較・提案する資料」を選ぶときは、頼み方に 「Webで調べて」「出典(リンク)もつけて」 と入れてください。出典が付くと、あとから自分で裏どりできます(AIは事実と違うことも言うため。詳しくはふりかえり 4)。
1
チャット欄にお題を日本語で書いて送る
上の「頼み方の例」をそのまま使ってOKです。しばらくすると、画面の横(または下)に作られたページが表示されます。これが「アーティファクト」です。
2
直してほしいところを追加で頼む
「色を青系にして」「文字を大きく」「背景に絵文字を散らして」など、続けて頼みます。会話するだけで、その場で作り直してくれます。2〜3回くりかえしてみましょう。
3
(できれば)共有して、チームに URL を渡す
アーティファクト右上の「共有(Share / Publish)」を押すと URL ができます。今回の組織アカウント(Team)では、同じ組織のメンバーだけが開けるリンクになります。出てきた URL を、当日の共有先(Teams など、講師が案内します)に貼って、お互いの作品を開いてみましょう。
機密情報は入力しないでください(§0.4)。共有した URL は組織内のメンバーなら誰でも開けるので、個人情報や社外秘は載せないでください。
期待される結果

会話だけで「動くページ」がひとつでき、追加の指示で直せた、という手応えがゴールです。仕上がりの良し悪しではなく、AIに頼んだら本当に形になった、という驚きを持ち帰ることが目的です。思ったより使えると感じた点・物足りなかった点を、ひとつずつ覚えておいてください。

§3.2つまずいたときの確認ポイント

  • A返事が返ってこない/止まったように見える → 数十秒待っても動かなければ、一度同じ内容をもう一度送ってみてください。それでもダメなら手を挙げてください
  • Bページが表示されない → 「動くWebページとして作って」「アーティファクトで作って」と言い添えると出やすくなります
  • C思った見た目と違う → 一から頼み直さず、「そうではなく〇〇にして」と続けて伝えれば直ります
  • D共有ボタンが見つからない → 無理に共有しなくてOKです。画面に表示されているだけでも体験は十分です
  • E英語で返ってきた → 「日本語で書いて」と頼めば日本語になります
FEEDBACK4

ふりかえりと解説① — なぜ Claude は動くのか

12分

手を動かしたところで、「なぜこう動いたのか」をまとめて解説します。今つまずいたこと・不思議に思ったことが、ここで腑に落ちるはずです。

§4.1そもそもAI(LLM)は、どう動いているのか

Claude のようなAIは LLM(大規模言語モデル) と呼ばれます。インターネット上などの大量の文章を読み込んで学習した、たくさんの「言葉のつながり方」の知識を持つAIです。

仕組みのいちばんのキモは、意外とシンプルです。「ここまでの文章に続いて、次に来そうな言葉は何か」を予測して、1単語ずつ並べている——これを桁違いの規模で繰り返しているだけです。だからこそ、自然な文章やコードをすらすら書けます。

一方で、AIは「次に来そうな言葉」を選んでいるだけで、事実を調べて保証しているわけではありません。だから、もっともらしく間違えること(ハルシネーション)があります。その見分け方・防ぎ方は次回じっくり扱います。今日は「出てきたものは自分で確認する」とだけ覚えてください。
出典: Glossary(Claude 公式ドキュメント)。公式の用語集では、Claude の土台となるモデルは「直前までの文章をもとに、次の単語を予測する(predict the next word)」ように事前学習される、と説明されています。

§4.2AIまわりでよく使う言葉(トークン・コンテキスト)

これから何度も出てくる言葉です。今日はざっくりのイメージだけ持ち帰れば十分です。

言葉 ざっくりの意味
プロンプト AIへの頼みごと・指示文のこと。「〇〇して」とチャット欄に書く、あれです。
トークン AIが文章を処理するときの、文章を細かく区切った“かたまり”の単位。AIは文章をいったんトークンに分けて読み書きし、利用量もこの数で数えます。目安として英語では約3.5文字で1トークン(日本語はもっと細かく分かれます)。
コンテキスト
(コンテキストウィンドウ)
AIが一度に見て参照できる範囲=AIの「作業中の記憶(ワーキングメモリ)」。そのチャットで書いた文章・貼ったメモ・それまでの会話が、この範囲に入っています。

大事なのはコンテキストです。あなたのPCの中にある別ファイルや社内ポータルの情報は、見せない限りAIには見えていません。「いい感じに作って」だけだと、AIは少ない材料で推測するしかなく、的外れになりがちです。

指示のコツは「見せる」こと。要点を箇条書きで渡す、元のメモを貼り付ける、それだけで精度が大きく上がります。今日うまくいった人は、たいてい「材料をちゃんと渡していた」はずです。
このコンテキストの扱い方は、第4回(CLAUDE.md・Skills)で詳しく扱います。毎回同じ前提を説明しなくて済むよう「AIに前提やルールを覚えさせる」「よく使う作業手順を再利用できる形にする」といった一歩進んだ使い方を学びます。
出典: Glossary / Context windows(いずれも Claude 公式)。公式ではコンテキストウィンドウを「モデルが参照できる “作業中の記憶(working memory)”」と説明しています。

§4.3Claude のモデル(Opus / Sonnet / Haiku)

ひとくちに Claude といっても、性質の違う3系統のモデルがあります。アプリのモデル選択メニュー(§1.7)から切り替えられます。このワークショップでは Opus を使います——いちばん賢く、今のAIの実力を体感するのに向いているためです。要約や言い換えなどごくシンプルな作業のときだけ、Sonnet や Haiku に切り替えてもOKです。

モデル 位置づけ 向いている用途
Opus(現行 4.8) 最高性能(おすすめ) 本ワークショップの基本。動くものを作る・調べる・じっくり考えさせる
Sonnet(現行 4.6) バランス型 要約・言い換え・整形などシンプルな作業
Haiku(現行 4.5) 高速・軽量 ごく短い定型処理・すばやい応答

※ モデルは数か月ごとに更新されます(世代番号は2026年6月時点)。メニューに新しい番号が並んでいたら、基本は最新の Opus を選べば問題ありません。

出典: Models overview / Choosing the right Claude model(いずれも Claude 公式)。

§4.4使うときの注意(最初に押さえておくこと)

入れてよいもの・入れてはいけないもの

このあとの §5.1 で見るとおり技術的には学習に使われませんが、それ以前に、会社・顧客との約束として「機密情報はAIに渡さない」が先に立ちます(§0.4)。線引きはシンプルです。

  • 入れてOK: 今日のような架空・一般的な練習データ/自分が書いた文章・メモ/公開情報(公式サイト・ニュースなど)
  • 入れてはダメ: 顧客名・取引内容/個人情報(氏名・連絡先など)/社外秘の資料(顧客と個別に契約している場合を除く)
業務データも「マスク」すれば使える

「業務に関わるデータは一切使えない」わけではありません。顧客名・個人名・特定できる数字などを伏せ字に置き換えて(マスキングして)渡せば、機密情報そのものは入力せずに、実務に近い作業をAIに任せられます。たとえば「株式会社○○」「担当Aさん」「金額は仮に1,000」のようにダミー化して頼み、出てきた結果を、あとから自分で本物の値に置き換える——この一手間で、安全に業務データを扱えます。デモ③の参加者分析ダッシュボードも、この方法(匿名化したデータ)で作っています。判断に迷うときは§0.4のルールに従い、案件の責任者に確認してください。

例外:顧客と個別に契約しているプロジェクト

一部のプロジェクトでは、顧客と個別に取り決めたうえで、案件のなかで Claude や GitHub Copilot を使えるようにしているケースもあります。あくまで個別の合意があってのことなので、自分の案件が該当するかどうかは、勝手に判断せず案件の責任者に確認してください。

生成された内容は自分でレビューする

AIは便利な下書き係ですが、最終的な責任を持つのは送る人です。そのまま出さず、必ず自分で読んで整える。これが安心して使うための一番のコツです。

FEEDBACK5

ふりかえりと解説② — プラン・コスト・データの扱い

8分

ここからは少し目線を変えて、組織として Claude を使う・広めるときに必要になる話です。会社への導入を考える方や、チームの Claude 管理者になる方に向けた内容ですが、参加者のみなさんは「費用は会社負担」「入力したデータが学習に使われない設定になっている」の2点だけ持ち帰れば十分です。

§5.1Claude のプランとデータの扱い

Claude には個人向け(Free / Pro / Max)と組織向け(Team / Enterprise)のプランがあります。今回はこのワークショップのために用意した組織契約の Claude Team を使っています。業務で使ううえでいちばん気になる「入力したデータは学習に使われるのか?」について、押さえておきましょう。

商用プラン(Team を含む)では、既定でチャットが学習に使われない

Anthropic は、商用プラン(Claude for Work = Team / Enterprise、API など)について、「既定では、入力・出力をモデルの学習に使わない」と明言しています。学習に回り得るのは基本的に、ユーザーが👍👎ボタンなどで自分から明示的にフィードバックを送った場合に限られます。

そのフィードバック送信も、管理者がオフにできる

Team / Enterprise では、組織の管理者(オーナー)が、メンバーのフィードバック送信機能そのものを無効化できます(組織設定 → Data and Privacy → 「Rate chats」)。今回の組織アカウントでは、これを無効化済みです。つまり、学習に使われ得る経路自体が塞がれています。さらに Team では、データの管理者は会社(組織)側で、Anthropic は会社の指示に従って処理する立場です。

出典: Is my data used for model training?(Anthropic プライバシーセンター, 公式)。「By default, we will not use your inputs or outputs from our commercial products … to train our models」「管理者は Rate chats 設定でフィードバック送信を無効化できる」と明記されています。

§5.2費用と利用量(コスト)

今回はこのワークショップ用に会社が契約した Claude Team を使っています。費用は会社負担で、みなさん個人での支払いは発生しません。参考までに、Claude のプランと料金の目安を載せておきます。

プラン 月額の目安(米国価格) 位置づけ
Free $0 個人向け。基本機能のお試し
Pro $20(年払いで約$17)/月 個人向け。1人で実務に使う標準プラン
Max $100〜$200/月 個人向け。Pro の 5倍/20倍の利用量
Team(今回) 1席 $25(年払いで約$20)/月〜
※最低5席。上位の Premium 席は $125/月
組織向け。管理機能・SSO 付き
Enterprise 個別見積り(席料+利用従量) 大規模組織向け

※ 2026年6月時点・米国価格の目安です。最新および日本円の価格は公式の料金ページをご確認ください。

「使い放題」ではない — 2種類の利用上限

無制限ではなく、1人ずつに利用量の上限があります(チームで取り合いにはなりません)。上限は2種類です。

  • 5時間ごとの上限(セッション制限): 一定量を使い切ると、使い切った時点から5時間ごとにリセットされ、また使えるようになります。
  • 週ごとの上限(週間制限): これとは別に週単位の上限もあり、毎週決まった曜日・時刻にリセットされて満タンに戻ります。

会話が長い・添付が大きい・重いモデル(Opus)・Effort や Thinking を上げる、ほど多く消費します。今日のように普通に触る分では、まず上限には届きません。もし届いたら、リセットを待つか、新しいチャットに分けてください。次のリセット時刻は 設定(Settings)→ Usage で確認できます。

EXERCISE6

持ち帰り演習

次回まで

次回(7/9)までの宿題です。今日の「頼んで → 見て → 直す」リズムを、自分のテーマで1回試してみてください。作ったものはチームに共有し、次回の冒頭にテーブル(グループ)ごとに見せ合います。うまくいかなくても構いません。「どんなものを・どう感じたか」が次回の話のタネになります。

目的

自分の仕事や生活で「あったら役立ちそう」なものを考えて、それをアーティファクトとして形にしてみます(思いつかなければ、今日と同じ練習のお題でも構いません)。そしてチームのみんなに共有し、次回テーブルで見せ合うことで、お互いの使い方からヒントを得るのが狙いです。

やること(順番にやればOK)
1
テーマを1つ決める
仕事・生活で「あったら便利かも」を1つ思い浮かべます(例: 持ち物チェックリスト、割り勘・料金の計算ツール、チームの予定表、ミニ診断、調べものの比較メモなど)。思いつかなければ、自己紹介ページ・〇×クイズ・診断などの練習のお題でもOKです。
2
アーティファクトで作る
Claude アプリに日本語で頼みます。モデルは Opus を選んでください。機密情報・個人情報は入れないでください(このあと公開するため特に注意)。
3
公開して、チームに共有する
アーティファクト右上の「公開(Publish / Share)」を押して URL を作り、運営が案内する共有先(Teams のチャネルなど)に貼って、チームのみんなが見られるようにします。共有先は当日・連絡でご案内します。
4
次回の冒頭、テーブルで見せ合う
次回(7/9)の最初に、テーブル(グループ)ごとに「何を作ったか」「作ってみてどう感じたか」を一言ずつ共有します。発表の準備は不要です。作ったものを開ければ十分です。
完成度は問いません。「自分のテーマでAIに作らせ、人に見せられる形にした」こと自体がゴールです。
期待される結果

「動くもの」がひとつでき、共有先に URL が貼られている状態になっていれば成功です。仕上がりの良し悪しではなく、自分のテーマでAIに作らせ、チームに見せられる形にしたという経験を持ち帰ってください。

§5.1つまずいたときの確認ポイント

  • A何を作ればいいか思いつかない → いつも手間な作業や「あると便利な小物」(リスト・計算・予定表)が狙い目です。それでも迷ったら、練習のお題(自己紹介ページ・クイズ・診断)でかまいません
  • B公開ボタンが見つからない → アーティファクト右上のメニュー(Publish / Share)にあります。どうしても見つからなければ、画面のスクリーンショットでも構いません。当日テーブルで見せられれば十分です
  • C機密情報が含まれて頼みづらい → 固有名詞や数字を伏せ字(〇〇)にして頼み、後から自分で埋めれば安全です(公開するので特に注意)
  • Dサインインが切れていた → Claude アプリを開き直し、組織アカウントでサインインし直してください
CLOSE6

クロージング

§6.1今日の持ち帰りポイント

1
AIには日本語でそのまま頼んでよい。特別なコマンドや書き方は不要。文章だけでなく、動くものまで形にしてくれる。
2
一発で完成を狙わない。ざっくり頼む→見る→直してもらう、の往復が基本のリズム。
3
AIは見えているものしか知らない。材料(要点・元メモ)を渡すほど精度が上がる。
4
出てきたものは必ず自分で確認する。動くこと≠正しいこと。最終責任は使う人にある。

次回予告 — 第2回(7/9)

使ってみる — Claude Code / Cowork:次回から2つのコースに分かれます。開発の仕事をする方は Claude Code、それ以外の方は Cowork。どちらも今日使った Claude デスクトップアプリからそのまま起動できるので、追加の準備は不要です。チャットの一歩先、「AIに作業そのものを任せる」体験をします。Claude Code を VS Code から使いたい方は、事前配布のセットアップガイドの「2. Claude Code」を済ませておくとスムーズです(任意)。
※ 当初予定していた「外部ツールとの連携(MCP・Microsoft 365)」は、後半の回で扱う構成に変更しました。

アンケートのお願い

最後に、今日のふりかえりアンケートにご回答ください。次回をより良くするために、率直な感想をお待ちしています。

▶ ふりかえりアンケートに回答する(Microsoft Forms)

リファレンス

当日は触れませんが、もう一歩知りたくなったとき用のメモです。今日読まなくても大丈夫です。

モデルの使い分け(Opus / Sonnet / Haiku)

モデルの違いと使い分けは、ふりかえりの §4.3 で表にまとめています。基本は Opus を選べば問題ありません。

先に Claude Code を触ってみたい人へ

Claude Code(VS Code から使うエージェント型)は第3回以降で本格的に扱いますが、セットアップが済めば今すぐ使い始めて構いません。インストールとサインインの手順は、事前配布のセットアップガイドの「2. Claude Code」にまとめてあります(要 VS Code 1.98 以上。APIキーは不要で、組織の Team アカウントでサインインするだけです)。

Claude アプリと Claude Code は同じ組織アカウントでサインインできます。第3回までに触っておくと当日スムーズです。今日のハンズオン(§3.1 の C)を Claude Code で進めても構いません。
出典・参考リンク